初盆   

今年は、30年来の私のパートナーの、初盆だ。
本来ならお盆の中日7/13には、還暦祝い、のはずだった。
我々身近な人間は・・・いやそれどころか、誰一人として、その天に昇る瞬間とそれまでの数日を、共に過ごした者は居ない。
もはや、全ては推測でしかないが、彼は、芸術と実業の両立を目指し大暴れした太く短い人生を、あの創痍満身の精神と身体で、まだ立ち上がりやり続ける意志のまま、自分でもまさかの呼吸の終止符がおとずれたのだ。
宗教は哲学だと思っている私は、合掌もせず、位牌や仏壇も持ち合わせていない。
しかし、もしこのお盆という考え方のシステムの中で、本当に霊が舞い降りるのならば、今年はそのシステムにあえて身を委ねたいと思った。
死後の事は、全て、生き残った者の心で成り立つものと思う。大切なのはきっと、過去よりも未来。しかし、未来への方向性やエネルギーを作るものは過去と現在だ。
ボブディランの「風に吹かれて」。私が2000年にミュージカル「TOKYOアリス」を書いた時、どうしても最後が解決するように書けず、結局彼の提案で、彼の演じるうさぎ男爵が、ギターを持ってその曲を歌う事になった。悔しかった。それで全てが解決したから。
昨日、8月に共演するAyuo氏との打ち合わせで、久しぶりにその曲に触れた。そこで新しい発見と新しい知識がまた増えた。You Tubeの動画でstevie wonder の「 blowin' in the wind」の演奏がある。スティービーワンダーは言っている。この歌の背景となった様々な事柄を思うと、まだこの歌を歌い続けることの無念さを思う、と。
Ayuo氏とのミーティングが無ければそんな事に気が付きもしなかった。今気づいたことや、今やっている自分の活動は、パートナーとの長いキャリアの積み重ねの上に成り立っているわけで、手応えのある何かの収穫を得たときには、報告して生きる励みにさせたかった。それが無念だ。
私はそう思っている、という事を、そろそろ茄子の牛にまたがって黄泉の国へ帰っていく元相棒の霊に伝えたいものだ。
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by imamusic | 2008-07-17 02:32 | 日々徒然 | Trackback | Comments(2)

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Commented by カサブランカ at 2008-07-18 00:44 x
「・・・手応えのある何かの収穫を得たときには、報告して生きる励みにさせたかった」にジ~ンとしました。お仏壇とか何にもいらないですよ。亡くなった人を心の中で偲ぶことが一番。私も父を亡くしてやはり、ふとした折にどうしても思い出され、思い出せる自分にホッとしています。
ところで、ayuo先生のお父様の高橋悠治先生をNHKのグレングールド特集で見ました。どうもグレングールドの作曲はシェーンブルグの物まねが入っている式で批判的でした。お顔がちょっとこわい方でした。話は変わりますが、桐朋の1年先輩にあたるのでしょうか?
永井愛さんいう二兎舎を主宰している人は知っていますか?すごい脚本に才能がありますね。
Commented by GERA at 2008-07-18 03:01 x
>カサブランカさんへ

おや、こんな夜分にお出ましとは。こんばんは。
先日のAyuoさんの渋谷の公園通りクラシックス(昔のジャンジャンの裏)ライブ、超満員でしたが、お父さんも客席に来てましたよ。
あんまり笑わないし、ゴツイ顔で、頑固爺な面白い天才ピアニストですね(笑)。彼は、あんな人だから、ジョン・ケージとも友達なんでしょうね。オリジナリティーというものを人一倍大切にする方ですね。
永井愛さんは、そう、1年先輩なので合同授業や合同公演でも一緒でした。在学中はおとなしい淡白な感じに私には見受けられましたが、脚本家として成功されましたね。演劇科では在学中ヒットしていた人よりそうでない人の方が卒業してから伸びたような気がします。

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