新刊「満州を描いたよ」〜87才の絵本〜を、TSUTAYAで見つけた。   

昨夜"TSUTAYAぶら"していてふと目にとまった本。何か惹かれてパラパラめくり、血が騒いで買って帰った。

田辺満枝・岩見隆夫共著「満州を描いたよ」〜87才の絵本〜
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ここには、私の感じていたこと、何か伝えたいけど、言葉に出来ず、もどかしくて、何も出来なかったことが、真っ直ぐ静かに琴線に触れてきて、絵と柔らかで素直な文に表されていた。

頁をめくると、何故か懐かしい我が母の母校、弥生高等女学校の写真まで出てきた。つまり、田辺さんは母の先輩なのだ!

本の中のたくさんの絵や色々な風物や体験の文は全て、私が子供の頃から母が同じような口調で話して聴いて来たこととほぼ同じだ。

後書き「満州の日々」に、弥生高女の厳粛で素晴らしい朝礼の様子、「弥生歌集」から毎日一曲歌ったこと、弥生の同窓会が一昨年終わったこと、戦争に関わりなくあたたかく支え合った近所の中国人との交流など色々書かれていて、最後に戦争の無くならない現在の世界を憂い、平和を願って終わっている。

この絵本は2014年2月28日発行。昭和10年生まれの弟の岩見隆さんは発行直前、1月に肝臓ガンで亡くなった。彼の数年前の著書「敗戦~満州追想」に実姉として描いた挿絵が評判になり追加して絵本になったそうだ。
政治ジャーナリストで毎日新聞特別顧問もされた岩見さんは、自身を文筆家として、宿命的につきまとう虚飾や誇張が避けられないが、姉の絵にはそれが無く、満州研究は自分の生涯のテーマだったが、様々な要素を器用にまとめるのは難しいと結論し、90才近い姉が描いた絵に偶然巡り会い、絵はいいものだな、と思った、と。そしてこの本が出来る前に亡くなった岩見さん…その言葉が遺筆となった。

音楽と違って絵は、また視覚に訴えこちらの想像もリアルで、しかも描き手の人格が現れる。田辺さんは満州の事はあまり話されなかったようだが、女性として長く生きてきて、ある確かな人生観を備えられ、こんなに素直な絵が描けるようになったのではないだろうか?

この絵本は、本当に、母に長年聞かされて来た情景とよく似ている。そしてとうとう今年元旦前後にひとりで行ってきた大連の風景や匂いとも重なる。
田辺さんのこの本は、柔らかく、庶民目線で、叙情的で、2002年に当時私が主宰していたプロデュース団体HOT CAT COMPANYで脚本・音楽・演出を担当し、シアタートラムで上演したミュージカル「ダルニー・ラプソディー(大連慕情)」の根拠に近い。

女性の特性が、世の中に生かされれば、もっと自然体で世の中は幸せになれると確信する。主婦のジャズコーラスShoofiesのプロデュースは、その思いが真ん中にある。
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by imamusic | 2014-09-16 15:28 | 日々徒然 | Trackback | Comments(0)

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