新刊「いのち輝ける犬」を読んだ。   

「いのち輝ける犬」という新刊の本を読んだ。
著者の中丸一沙さんは、少し前までジャズボーカルのボイストレーニングに通っていらした人で、一時期Shoofiesにも参加していた。
彼女の素晴らしさは、ひとつのことに丁寧に集中すること。そして独自の世界を持っていること。
それに、その脆さも美しさも、脆さの中にある強靭さも、素晴らしさのひとつだろう。

実は昨日、新宿で待ち合わせがあり、時間が余ってしまったので、そういえばとうとう発売したと聞いていたから、書店でかなりな時間、探し回った。新刊の棚、あ、もしかしたら、と趣味の中のペットの棚も。お陰で最近の新刊書を眺めわたすチャンスができ、(新聞でもテレビでもネットでもない)「本」の出版、という分野で世の中にメッセージを発信している人達やそのシステムの、一種の強さのエネルギーをバシバシと感じた。特に書店としてはメジャーに紀伊国屋だったので、そこの店頭に並ぶ、ということの意味合いが、ドラマで言えばゴールデン、ニュースならば19:00、演劇ならば・・・というように、本の出版というアピールの場としてのムーブメントの波をもろに感じ、一流の舞台や映画の初日を見るようでだった。

そのような気持ちで本屋の本を眺めたのは初めてで、著者の表現者としての立ち位置に、分野は違えど同じ表現者として気持ちを合わせている自分を感じた。「いのち輝ける犬」の出版への作業や気持ちも多少聞いていて、少し前から心待ちにしていた。

出版部数が第一刷はそれほど多くないとのことで、紀伊国屋には並んでいなかった。しかしネット書店ではAmazon初め多くのサイトで販売している。ではネットから買おう、と思っていた矢先、虫が知らせたか、本日、当の本人から電話があり「今から本をお持ちしますので読んでください」と。昼過ぎ来訪。ついでに戴いた栗鹿の子のお菓子を食べコーヒーを飲みながら読み始めた。
途中、用足しに「とある」小部屋に入り、結局そこに1時間半ほどいて、殆ど読んでしまった。(どうも本というのは読み始めると読み終わるまで止まらない性分だ。しかも最近、この小部屋には息子達の「ジャンプ」やら「カイジ」などの漫画本がうず高くあり、なかなか「空き室」にならない事がある・・・私もそれを踏襲してしまった・・・。)

愛犬との生活の心の交流や犬を飼うという事の様々なエピソード・・・それが通常のよくある、犬との苦楽の豊かな生活だけではなく、非常に強い絆で結ばれ、犬の病気や老化に対する人としての闘いの愛と苦悩の軌跡が書かれている。ここに書かれている中心は、愛犬シータの事でも、犬を飼う人へのメッセージでもなく、私には筆者の生き様にあるように思える。伝えたい事、本にしておきたい事はもちろんあるだろう。けれど私には、それら全てを通じて、著者本人の人間像の素直さ・可愛らしさ・儚さ・美しさ・情熱などが、一番ドラマティックに心に残る。残るものは、その安らぎの呼吸と哀しみの慟哭、焦りや不安、後悔や幸せへの息遣いだ。その横に愛犬の眼差しと呼吸があり、登場する医師や夫やそのまた周囲の人達の言葉や行動が、絵巻のように存在する。
そういう意味ではリメイク版「いのち輝ける犬」というタイトルよりも元のタイトル「シータとのエチュード」というように「との」と入っていたほうが、読者側のテーマには近いものがあるかもしれない。愛犬や周囲の変化は、特に予想外なものは無く、たぶん犬自身も自分の人生(犬生?)を淡々と受け入れていただろう。一番キュートな部分、この本の中で強く訴えかけるものは、著者自身の生きていく上での愛への渇望(つまりは神の御心か?)ではないかと思う。それは万人への共感があり、彼女は愛犬との人肌の(犬肌・・・か?)温かい交流でなんとか地面に立ち、いずれは死を迎える自分の何がしかの不安に克って、自分の生を肯定的にとらえて生きて来れたことを認識・感動したのではないか?それに対する感謝と幸せを人にも伝えたい・・・まあ、そんなとこかな?

私の感想はやっぱり「I will give you my special kisses.」だな。もちろんyouは中丸一沙さんのこと。
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by imamusic | 2011-11-10 15:54 | 日々徒然 | Trackback | Comments(0)

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